ようこそ「私の葛巻へ!」(第5回葛巻町風と恋の俳句コンテスト)
岩手県の葛巻町に今年も行ってきました。葛巻町は東北新幹線、沼宮内駅から車で約40分程の山間にある酪農の町です。近年では地元でとれる山ぶどうを使ったワインや美味しい乳製品、また風力発電によるクリーンエネルギーで大変注目されています。また5年前からは”風”と”恋”をテーマに俳句募集を始めました。風力発電ができるくらいですから葛巻は昔から風の強い土地。強風は時として農作物などにとって風害ともなりますが、風を味方にし風力発電をはじめたことは、まさに負から正への発想とエネルギーの大転換だったわけです。さらにどうせ風をつくるなら「文化の香る風」にしようという町の志の高さには、本当に脱帽です!かくて5年前から「葛巻町風と恋の俳句コンテスト」が始まったわけですが、葛巻の素晴らしいところは、この俳句募集を単に年に一回のイベントで終らせないことです。俳句コンテスト実行委員会や役場の方を中心とする町民の皆さんが自主的に俳句の勉強をはじめ、吟行会や小学生を対象にした俳句教室などを年間を通じて行っています。しかもその成果はたちまち現れ、全国で行われている俳句募集でここ数年度々葛巻の子供たちが上位に入選するようになりました。また大人の方々も俳句を通して自分のふるさとを見つめることにより、見慣れた風景、何もないと思っていたふるさとに、豊かな自然をはじめとする「宝」がたくさんあったことに気づいたとおっしゃるのです。俳句による”ふるさとの宝再発見”ですね!
そんなわけで5年前から毎年葛巻に伺い、今では”第二の故郷”といえるほど葛巻の人や自然に魅せられています。特に今年は第5回目ということで、お祝い会が盛大に開かれました。毎年コンテストの前夜には心尽くしの歓迎会を開いてくださり、町のお母さん方の手作りの郷土料理に舌鼓を打つのですが、今回はさらに実行委員会の皆さんが作成されたビデオで過去5回の大会を振り返るというサプライズも!ビデオにはこれまでの入賞者からのメッセージも収録されており、思わず感激の涙が溢れました。
雄大な牧場や白樺林、蕎麦畑の広がる美しい町「私の葛巻」へ、皆さんもぜひ足を運んでみて下さい♪また来年の俳句募集にもぜひ俳句をお寄せください。最優秀賞、優秀賞に選ばれた俳句は、句碑として葛巻の地に建立されます。
今年の最優秀句
<風の部> 呼び声の風となりゆく磯遊び 大鹿正男
<恋の部> 恋ほたる風のふし目に光りけり 岡 白雲
写真:(上左)吟行中の子供たち。指で数えて5・7・5 (上右)平庭高原の白樺林 (中)コンテストの昼食。婦人会の皆さんの手による郷土料理が絶品です! (下)風と恋の俳句コンテスト表彰式